ニュークックチルと
クックチルの違い

調理現場の負担を軽減!「クックチル」「ニュークックチル」の違いと活用法

病院や介護施設など、多くの利用者へ毎日安定した食事を提供する現場では、早朝の調理業務による従業員の負担を課題に感じている方も多いのではないでしょうか。
このページでは、調理現場の効率化・安全性向上を支える「クックチル」「ニュークックチル」といった調理方式について、それぞれの違いと導入のメリット・注意点を図解も踏まえてわかりやすくご紹介します。
調理業務の負担軽減に向けたヒントとして、ぜひお役立てください。

クックサーブ・クックチル・ニュークックチルとはどういうもの?

調理現場で採用されることの多い3つの調理方式には「調理・冷却・盛り付け・加熱・提供」の流れにそれぞれの特徴があり、それによって食事提供直前の業務負担が大きく変わってきます。

【クックサーブ/クックチル/
ニュークックチル比較表】

クックサーブ・クックチル・ニュークックチルとはどういうもの?

クックサーブは調理・盛り付けをすべて配膳の直前に行わなければならないのに対し、クックチルは事前に調理し保存することが可能です。
さらにニュークックチルは盛り付けまで事前に可能なのが特徴です。(盛りつけた状態でも、調理後5日間まで保存可能)
事前に調理した食材は調理日を含めて5日間保存可能なため、最大4日の前倒し調理が可能です。

クックサーブ方式の課題とは?

クックサーブ方式では、「調理→盛り付け→提供」をすべて食事の提供直前に行います。
そのため、以下のような課題が生じやすくなります。

業務の集中 食事直前に業務が集中し、食事直前とそれ以外の時間では必要な従業員の人数が変わってきます。
しかしどちらの時間にも適切な人員配置というのは難しく、業務過多または人員過多のリスクが常に伴います。
さらに朝食については、早朝からの調理作業による早朝出勤コストや従業員への負担も少なくありません。
料理の品質と安全性 調理後に盛り付けをしている間に料理が冷めてしまうため適温での提供が難しく、
また温度管理が不十分になることで食中毒のリスクも高まります。
クックチル方式で解決できること・残る課題

クックチルは、調理した料理を急速冷却してチルド保存し、提供前に再加熱して盛り付け・提供する方式です。
この方法により、事前調理で提供直前の作業を簡略化でき、早朝出勤の負担や業務の集中は軽減されます。
しかし、温かい料理を盛り付ける点はクックサーブと変わらず、適温での提供の難しさや食中毒リスクは解消されません。

ニュークックチル方式でさらに進化

ニュークックチルでは、調理後に急速冷却した料理を冷たい状態で事前に盛り付け・チルド保存することができます。
つまり、提供直前に再加熱を行いそのまま配膳できる点が、クックチルとの大きな違いになります。
そのため、以下のようなメリットが加わります。

①当日の盛り付け作業が不要に→ 食事提供直前の作業は加熱のみ。早朝出勤もさらに軽減されます。

②冷たい状態で盛り付けを行える→ 食材が冷たいので扱いやすく、やけどや食中毒リスクも低減されます。

③加熱後すぐに提供できる→ 出来立てのような温かさで配膳することが可能になります。

◆ 完全調理済み食品の併用で、
ニュークックチルをさらに効果的に

ニュークックチル方式を導入する際には、完全調理済み食品の併用もおすすめです。
具体的には、調理済みのチルド食品を外部から仕入れ、ニュークックチル方式で再加熱・提供するという運用になります。
施設内での調理が不要となるため、以下のようなメリットがあります:

  • 人手・人件費の削減
  • 品質のばらつき防止・安全性の向上
  • 調理担当者の負担軽減・作業中の事故防止
  • 厨房設備の縮小(火気・調理スペースが不要)

また、近年では品質も大きく向上しており、美味しい食事の提供ができるようになってきました。
ニュークックチルの特性をさらに活かす手段として、完全調理済み食品の併用もあわせて検討されてもよいでしょう。

クックチル・ニュークックチルに共通するデメリット

調理の効率化と安全性の向上をもたらすクックチルやニュークックチルですが、もちろんデメリットもあります。
以下のような点には注意が必要です。

初期投資が必要 冷却・保冷・再加熱機器や、それらを設置するスペースが必要です。
エネルギーコスト 再加熱には電力が必要なため、電気代が増加する場合があります。
不向きな調理法も 再加熱するため、食材やメニューによっては味や色味が損なわれる場合があります。
個別対応の難しさ 大量調理向きの方式のため、細かいメニュー変更や個人ごとの対応には不向きな場合もあります。

最後に、各調理方式のメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。

メリット・デメリットまとめ

  クックサーブ クックチル ニュークックチル
特徴①

調理から提供まで一気通貫

調理から提供まで一気通貫食事前に業務が集中 調理から提供まで一気通貫早朝出勤の負担・人件費大

調理が前倒し可能

調理が前倒し可能作業の平準化 調理が前倒し可能早朝労務コスト削減 調理が前倒し可能安定した品質管理 調理が前倒し可能提供タイミングの柔軟性

調理・盛付が前倒し可能

調理・盛付が前倒し可能作業の平準化 調理・盛付が前倒し可能早朝労務コスト削減 調理・盛付が前倒し可能安定した品質管理 調理・盛付が前倒し可能提供タイミングの柔軟性

吹き出しの向上

特徴②

加熱後に盛付け

加熱後に盛付けやけどのリスク 加熱後に盛付け食中毒リスク(温度管理不足) 加熱後に盛付け提供時に料理が冷めてしまう

加熱後に盛付け

加熱後に盛付けやけどのリスク 加熱後に盛付け食中毒リスク(温度管理不足) 加熱後に盛付け提供時に料理が冷めてしまう

冷たい状態で盛付け後に加熱

冷たい状態で盛付け後に加熱盛付け作業がしやすい 冷たい状態で盛付け後に加熱食中毒リスク低減 冷たい状態で盛付け後に加熱出来立て同様に温かい食事の提供可

特徴③

調理後の冷却無し

調理後の冷却無し作りたてのおいしさ 調理後の冷却無し細かいメニュー対応がしやすい

調理後の冷却・再加熱が必要

加熱後に盛付け食味がやや劣る場合がある 加熱後に盛付け不向きな食材や調理法がある 加熱後に盛付け専用設備が必要 加熱後に盛付け運用に適切な管理体制が必要

調理後の冷却・再加熱が必要

調理後の冷却・再加熱が必要食味がやや劣る場合がある 調理後の冷却・再加熱が必要不向きな食材や調理法がある 調理後の冷却・再加熱が必要専用設備が必要 調理後の冷却・再加熱が必要運用に適切な管理体制が必要

職場に合わせた調理方式を見定めることが大切

調理方式にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、施設の規模や人員体制、メニュー内容などによって最適な方法は異なります。大切なのは、自分たちの職場に合った方式を見極め、無理なく安全で効率的な運用ができる体制を整えることです。こちらの記事が何かのお役に立てば幸いです。

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